高学歴ワーキングプア 2
電験三種学習の隙間に読んでいるが、対岸の火事は正直、興味深い。
当初は旧帝大と一橋、東工大などの重点「研究大学」のみが、院生、博士を増やすべくカリキュラムを整え、文科省からの助成金配分を増やした。
この動きに乗っかったのが、地方国公立大学と多くの私立大学。
今や大学院がない大学のほうが珍しいくらいに乱立。
しかし、教授、准教授のポストは限られ、大学ヒエラルキーの中で配分されるため、多くの無職博士(この本では、自嘲的にノラ博士と呼称)。
1980年代までは、大学院は本当に研究好きが行くか、組織にはあわせきれないモラトリアムの手段として認識されており、ほとんどの学生は就職か、資格浪人を選択していた。
これが、大学院の乱立で、「末は博士か」と甘い幻想を抱かされたピュアな人々が、1000万円を超える学費を支払い大学院で博士号を取得するも、教授や准教授のポストなど元々あるわけでもなく、大量のノラ博士が産み落とされたという構図。
もはや文科省と大学の画策した大規模詐欺とも呼べる事態のように思える。
そして今、ノラ博士の多くはレクルースへの道を歩んでいるとも推測される。
何もかも鵜呑みにし過ぎず、必ず反対の視点から見てみる。
これしか、人生をうまく歩んでいく術はないだろう。