高学歴ワーキングプア コーダ(終章)
色々とネガティブな感想を書いてきたが、最後に「ノラ博士」の中にも、この人は、と思うような方もいらしたので、触れておきたい。
1人は、いわゆる三流私大から、アカデミアヒエラルキーの上位階層である旧帝大の博士課程の院試を突破。
「ロンダ」と蔑まれようが、意に解せず、ひたすら自分の究めたい分野の研究に打ち込み、見事、博士号を取得。
今も研究に没頭している「ノラ博士」。
なにやら「野良」の凄みを感じさせる。
もう1人は、30代で特任教授になり、論文も書かずに、専任教員の憧れである「教授」の座を得てしまった人。
大学院も今や学生がこなければ、潰れるのみ。
一芸に秀でた人なら、論文はなくとも、その「生きざま」で人を魅了し、「教授」になればよいのだ。
象牙の塔をぶっ壊すのが、特任の人々。
自己満足の論文より、生きざまで「教授」する。
これこそが、真の教授ではなかろうか。